お葬儀の際のろうそくや線香の意味
ろうそくの意味
お通夜から葬儀にかけて、線香やろうそくの炎を絶やしてはいけないと言われることがあります。
線香やろうそくの炎はあの世までの道しるべであり、故人の魂が無事に成仏するまで消してはいけないとされていました。仏教におけるろうそくの炎とは、人々を照らす仏の光の象徴であり、あの世とこの世を結ぶという役割もあります。
線香の意味
①故人の食べ物
お線香の香りは、故人の食べ物と考えられています。そのため亡くなってから仏の世界へ旅立つまでの四十九日間は、絶やさずにお線香を炊いておこうという風習があります。
②自身の身を清める
お線香はまた、お線香をあげる人自身の心身を清める意味も込められています。故人への挨拶をする前にお線香に火をつけることで、俗世で汚れた心や体をお線香の香りで一掃することができるのです。
③仏様とつながる機会
お線香をあげるという行為はまた、仏様となった故人と心を通わせる場でもあります。自身の身を清めた後は、穢(けがれ)なき心で仏様と向き合い、近況報告や生前に話せなかったことなどを伝えましょう。
④ 仏の智慧(ちえ)が分け隔てなく広がることの表現
線香の煙が隅々まで行き渡るさまから、仏の教えが広く浸透することを意味します。
このように、ろうそくやお線香をあげるという行為には、故人を大切にし真摯な気持ちで供養する姿勢を感じることができます。昔の人が先祖を大切にした風習が、ろうそくやお線香をあげるという形で現在にも残っているのですね。
