満中陰について


  満中陰は「まんちゅういん」と読み、「中陰が満ちる」つまり中陰の終わる日という意味です。 では、中陰とはどういう意味でしょうか。

中陰とは、仏教では人が亡くなってから次の生を受けるまでの49日間のことを指します。 その中陰期間は、魂が彷徨う(さまよう)生と死の期間とされ七日ごとに裁きが行われます。そして6回の裁きを経た後、最後の49日(満中陰)に極楽浄土に行けるかどうかの最終判決が下されます。 その結果、運良くすべての霊魂が極楽浄土に行ければ良いのですが必ずしもそうなるとは限りません。

 仏教では輪廻転生(りんねてんしょう)という考え方があり、それは生命を持つものは生まれ変わるという思想で、 六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)の6つの迷いの世界を生まれ変わり続けるという考え方です。そして、地獄道に生まれ変わるのか、別の世界なのか、それとも六道の向こうにあるとされる極楽浄土の悟り の境地に辿り着けるのかの判断基準は、故人の生前の功徳(くどく)の大小に左右されると言われています。 功徳とは、現世や来世に幸福をもたらすもとになる善行のことを言います。 そして、その故人の功徳を手助けできるのが、残された人たちが行う追善供養(ついぜんくよう)なのです。

追善供養は、生きている人が亡くなった人に対して行う供養のことで、49日法要もその1つです。 故人の冥福(めいふく)を祈り、故人が無事極楽浄土に辿り着ける行けるようこの世から応援するのです. そういった意味を思い浮かべながら49日(満中陰)法要に臨むと、より感慨深いものになるでしょう。